鍼灸院とは?鍼灸の歴史と施術効果
鍼灸院とは、鍼(はり、針)と灸(きゅう、お灸)で施術を行なっている施術院で、鍼灸師という国家資格を持つ先生が開設しています。 「はり・きゅう」または、「しんきゅう」と呼ばれ、身体に約360個あると言われるツボに鍼や灸を用いて症状を改善する施術法です。 はり師は、その病気や症状、疾患に応じた、一定の経穴(ツボ)または、皮膚の一定点に針で刺激を与える施術法です。 きゅう師は、その疾患に応じた、一定の経穴または皮膚の一定点に火を付けたもぐさ等の温熱材を直接または間接に接触させて、その温熱によって人体に作用させる施術を行なう施術法です。 鍼灸には、鍼灸師それぞれの流儀がありますがツボのなかでも、固い、へこんでいる、湿っているなどの変化のある場所を選んで施術し、自然治癒力や免疫力を高めます。
鍼灸の歴史
東洋医学では、身体をひとつの小宇宙としてとらえ、そのバランスが崩れたときに「病」が発症すると考えられています。鍼灸は、その東洋医学の施術法のひとつです。
起源は石器時代の中国にはじまり、奈良時代に日本に伝来しました。中国の僧侶が仏典とともに鍼灸の医学書を持参したと伝えられています。
平安から室町時代にかけては、鍼灸や漢方が定着し、江戸時代には「解体新書」が登場すると、明治にかけて西洋医学が発展しますが、鍼灸の効果は民間療法として多くの支持を受けてきました。
鍼の施術について
細いステンレス製の鍼(長さ約40mm~80mm、太さ直径0.17mm~0.33mm)をツボ(経穴)に刺し入れます。感染予防のため完全滅菌し、使い捨て鍼を使用。円形の金属または合成樹脂製の筒を用いてツボに刺し入れる管鍼法という方法で行ないます。
あるいは筒を使わず、鍼を親指と人差し指でつまんで刺し入れる方法もあります。ツボに刺した鍼は、上下したり、一定の刺激を加えてから(鍼を上下したり回旋、振動させたりします。)すぐに抜く場合と10~15分間くらい置いておく場合があります。
また、鍼に微弱な低周波パルス通電をする場合もあります。
痛みや筋肉のこり、血液循環を促す効果が期待できます。
灸の施術について
艾(もぐさ)を使って経穴(ツボ)に熱の刺激を加える施術方法です。一般的に〔やいと、お灸〕と言われています。艾を直接皮膚上に乗せて着火させる直接灸と、艾と皮膚の間を空けて行なう間接灸とがあります。
直接灸の場合、施灸後、皮膚に水泡ができたり灸痕が残る場合があります。
一方、間接灸は、艾と皮膚の間に空間を作り、味噌、薄く切った生姜・にんにくなどの熱の緩衝材を入れて熱を和らげ心地良い熱さに調整します。
その他、鍼の頭(先端)にそら豆大の艾を付けて、点火する灸頭鍼と呼ばれる方法や、熱の刺激源に遠赤外線やレーザーを用いる方法もあります。
鍼灸院で健康保険が適用できる7つの施術
鍼灸院では医師の同意書があれば、以下の疾患であれば健康保険が適用できます。
・神経痛
・リウマチ
・腰の痛み(ぎっくり腰を含む)
・五十肩
・頸腕症候群
・頸椎捻挫後遺症
・その他、痛みを伴う慢性疾患(腱鞘炎、膝関節痛など)
治療効果が期待できる疾患
世界保健機構(WHO)では、以下の疾患に対しても鍼灸施術で効果が期待できると提唱しています。
以上の疾患に関しては、根本治療と言うよりは西洋医学的な代替医療という位置づけで有効と発表されています。
接骨院・整骨院の専門分野と疾患
柔道整復師の専門分野はケガの治療のスペシャリストです。
階段を踏み外し足首を捻挫したとか、急に運動をしたら肉離れをしたなどの急性的なケガの対応は非常に早いです。
以下の疾患は整骨院・接骨院で、健康保険が適用できるので、症状にあわせて使い分けていきましょう。
・骨折(単純骨折、疲労骨折、圧迫骨折など)
・脱臼(肩や肘が外れて抜けてしまった状態)
・打撲(交通事故や転倒などによる打ち身)
・捻挫(足首・手首などの靭帯を痛める症状)
・筋挫傷(筋肉や腱が無理に伸ばされた状態)